競輪の出走表を見ていると、選手の成績欄などに「S」「B」「H」というアルファベットが表示されていることがあります。
競輪を始めたばかりだと、「Sはスピード?」「Bが多いと強い?」「Hは何を表しているの?」と意味が分かりにくい項目かもしれません。
この3つは、それぞれ選手がレース中に特定の位置を先頭で通過した回数などを表すデータです。
- S=スタート回数
- B=バック回数
- H=ホーム回数
特にBとHを見ると、どの選手が積極的に前でレースを進めているのかを判断する材料になります。
この記事では、競輪のS・B・Hとは何なのか、それぞれの数字から何が分かるのか、出走表を見るときのポイントを初心者向けに解説します。
競輪のS・B・Hとは?
S・B・Hは、選手のレース中の位置取りや走り方を確認するためのデータです。
| 記号 | 意味 | 簡単な見方 |
|---|---|---|
| S | スタート回数 | スタート後に前の位置を取った回数 |
| H | ホーム回数 | 残り1周で先頭だった回数 |
| B | バック回数 | 残り半周で先頭だった回数 |
それぞれ同じ「先頭」に関係する数字ですが、記録されるタイミングが違います。
Sはスタート直後の位置取り、Hは残り1周、Bは残り半周を見る数字と考えると整理しやすいでしょう。
Sとは?スタート回数の意味
Sは「スタート回数」を表します。
KEIRIN.JPでは、スタート後速やかに発走し、先頭誘導選手の後方についた回数と説明されています。
つまり、号砲が鳴ってスタートしたあと、周回中の先頭位置を取りに行った回数を見るための数字です。
Sが多い選手は、スタート時点で集団の前方にいることが多い選手と考えることができます。
Sが多いと何が分かる?
Sが多いからといって、その選手がそのまま先行するとは限りません。
競輪では、ラインの誰かが前の位置を確保するためにスタート直後から前へ出ることがあります。
そのためSは、単純な脚力を示す数字というよりも、周回中の位置取りやラインの戦い方を考える材料として見る方が分かりやすいでしょう。
Sが多い選手は、スタート後の位置取りに積極的な傾向を読み取る材料になります。ただし、Sの多さだけで先行選手と判断することはできません。
Hとは?ホーム回数の意味
Hは「ホーム回数」を表します。
残り1周の時点でホーム・ストレッチ・ラインを先頭で通過すると、Hが記録されます。
ホームとは、ゴールラインがある側の直線部分です。
つまりHを見ることで、残り1周という勝負どころで先頭にいることが多い選手なのかを確認できます。
Hが多い選手は積極的に動いている?
Hの多い選手は、残り1周の時点ですでに先頭に立っているレースが多いことを意味します。
そのため、早めに前へ出てレースを動かすタイプなのかを考える材料になります。
ただし、残り1周で先頭に立っていても、そのまま最後まで先頭を守れるとは限りません。
後方から捲ってくる選手に交わされたり、最後の直線でライン後方の選手に差されたりする場合もあります。
Bとは?バック回数の意味
Bは「バック回数」を表します。
最終周回のバック・ストレッチ・ライン、つまり残り半周の地点を先頭で通過した回数です。
競輪では、このBが選手の戦法を考えるうえで非常に分かりやすいデータのひとつです。
バック回数が多い選手は、レース終盤まで先頭で走っているケースが多いため、先行力を見る際のひとつの指標になります。
Bが多い=逃げ選手?
Bが多い選手は、先行することが多い可能性を考えやすくなります。
たとえば同じレースに、Bが「15回」の選手と「0回」の選手がいる場合、15回の選手の方が残り半周地点を先頭で通過するレースが多かったことが分かります。
ただし、Bだけを見て「必ず逃げる」と決めるのは早計です。
脚質や決まり手、ライン構成なども一緒に確認する必要があります。
HとBの違いを理解するとレースが見やすい
初心者が特に混同しやすいのがHとBです。
どちらも先頭通過を示しますが、記録される地点が違います。
| 記号 | 記録される地点 | 見るポイント |
|---|---|---|
| H | 残り1周 | 早めに前へ出ているか |
| B | 残り半周 | 終盤まで先頭にいるか |
たとえば、残り1周でA選手が先頭だった場合、A選手にHが記録されます。
その後、別のB選手が捲って残り半周地点で先頭になれば、B選手にBが記録されます。
つまり、同じレースでもHとBが別の選手につくことがあります。
この違いが分かるようになると、数字だけではなく「どのタイミングで誰が前に出ているのか」をイメージしやすくなります。
S・H・Bの数字から選手の特徴を考えてみる
S・H・Bは、それぞれ単独で見るよりも組み合わせて確認すると選手の特徴をつかみやすくなります。
たとえば、次のようなデータがあったとします。
| 選手 | S | H | B |
|---|---|---|---|
| A選手 | 2 | 12 | 15 |
| B選手 | 8 | 1 | 0 |
| C選手 | 1 | 3 | 2 |
A選手はHとBが多いため、レース後半で前に出ているケースが多いことが分かります。
一方、B選手はSが多いもののHとBは少なくなっています。この場合、スタート後の位置取りには積極的でも、自分が最終周回を先頭で駆けるタイプとは限りません。
このように、S・H・Bを並べて見ることで、それぞれの選手がどのタイミングで前にいることが多いのかを考えられます。
Bと決まり手を一緒に見る
初心者におすすめなのが、Bと「決まり手」を一緒に確認する方法です。
出走表には、逃・捲・差・マといった決まり手の回数が掲載されています。
- 逃:逃げて1着または2着
- 捲:捲って1着または2着
- 差:前の選手をゴール前で追い込んで1着または2着
- マ:先行する選手をマークして2着
Bが多く、さらに「逃」の決まり手も多い選手なら、前へ出てそのまま粘り込むレースが多い可能性を考えられます。
反対にBが少なく「差」が多い選手なら、自ら先頭で駆け続けるというより、前の選手を追走して最後に抜く形を得意としている可能性があります。
Bだけを見るより、決まり手と組み合わせた方が選手の走り方をイメージしやすくなります。
Bが多い選手が必ず有利とは限らない
バック回数が多いと「この選手が強そう」と感じるかもしれませんが、Bの多さと着順は同じ意味ではありません。
Bは、残り半周地点を先頭で通過した回数です。
そのあとゴールまでには3コーナー、4コーナー、最後の直線があります。
バックを先頭で通過しても、最後に差されれば1着にはなりません。
逆に、Bが0回でも最後の直線で前の選手を差して勝つ選手もいます。
Bは残り半周地点を先頭で通過した回数です。1着回数や勝率とは別のデータなので、数字が多いだけで「勝ちやすい」と判断しないことが大切です。
S・B・Hはラインと一緒に見ると分かりやすい
競輪では複数の選手がラインを組んで走ることが一般的です。
そのため、S・B・Hを見るときもラインの並びを確認することが重要です。
特にBの多い選手がラインの先頭にいる場合、その選手が主導権を取って先行する展開を考える材料になります。
そして、その後ろには番手の選手がいます。
先頭選手が風を受けながらレースを進めれば、その後ろを走る番手選手は終盤まで脚を残せる場合があります。
そのため、Bの多い選手だけでなく、「その選手の後ろを誰が走るのか」まで確認するとライン全体の展開を考えやすくなります。
初心者はまずBから見るのがおすすめ
S・H・Bをすべて一度に覚えるのが難しければ、まずBを見るところから始めてもよいでしょう。
Bは残り半周地点で先頭だった回数なので、どの選手が積極的に前でレースを進めているのかを比較しやすい数字です。
出走表を見るときは、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- Bが多い選手を探す
- その選手の脚質を見る
- 逃・捲などの決まり手を見る
- ラインの先頭かどうかを見る
- 番手を走る選手を確認する
この順番で見れば、「誰が前へ出そうか」「その後ろには誰がいるか」というレースの基本的な構図を考えやすくなります。
S・B・Hと競走得点は役割が違う
出走表にはS・B・Hのほかに「競走得点」も掲載されています。
競走得点は選手の近況成績を比較するための数字ですが、S・B・Hはレース中の位置取りや走り方を考えるための数字です。
| データ | 主に分かること |
|---|---|
| 競走得点 | 選手の近況成績・力関係 |
| S | スタート後の位置取り |
| H | 残り1周時点で前にいる頻度 |
| B | 残り半周時点で前にいる頻度 |
| 決まり手 | どのような戦法で1着・2着になっているか |
競走得点で選手同士の力関係を確認し、BやHで走り方を確認するという見方をすると、出走表の情報を整理しやすくなります。
まとめ|S・B・Hが分かると出走表が読みやすくなる
競輪の出走表にあるS・B・Hは、選手のレース中の位置取りや走り方を知るためのデータです。
- S=スタート回数:スタート後に前の位置を取った回数
- H=ホーム回数:残り1周地点を先頭で通過した回数
- B=バック回数:残り半周地点を先頭で通過した回数
初心者が特に注目したいのはBです。Bが多い選手を確認すると、誰がレース終盤まで前で走ることが多いのかをつかみやすくなります。
ただし、Bが多いから必ず勝つわけではありません。
「Bを見る → 決まり手を見る → ラインを見る → 番手を見る」という流れで確認すると、数字だけだった出走表から実際のレース展開をイメージしやすくなります。
S・B・Hは、それだけで着順を決める数字ではなく、選手がどのようにレースを組み立てているのかを読み取るための材料として活用するのがポイントです。
最終更新:2026年10月1日