KEIRIN FACT

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競輪は逃げ・捲り・差しのどれが勝ちやすい?決まり手別の1着率を調査

競輪の出走表やレース結果を見ていると、「逃げ」「捲り」「差し」といった言葉を目にします。

選手によって得意とする戦い方は異なりますが、実際のレースでは逃げ・捲り・差しのどの決まり手で1着になるケースが多いのでしょうか。

そこでKEIRIN FACTでは、公開されている近年の競輪場別データを調査し、1着の決まり手にどのような違いがあるのかを確認しました。

今回確認した主要15競輪場では、すべての競輪場で「差し」が1着の決まり手として最も高い割合となりました。

ただし、その中身を見ると競輪場によってかなり違います。

松戸では逃げ32.6%・捲り32.6%・差し35.0%とほぼ均等なのに対して、いわき平では逃げ20.7%・捲り27.1%・差し52.5%となっています。

単純に「競輪は差しが多い」と考えるだけではなく、競輪場やバンク、レース条件によってどのくらい違うのかまで詳しく見ていきます。

競輪の決まり手とは?

競輪の「決まり手」とは、1着または2着になった選手が、どのような形でその着順に入ったのかを表すものです。

1着の主な決まり手には、「逃げ」「捲り」「差し」があります。

決まり手 内容
逃げ 最終周回で先頭に立ち、そのまま後続に抜かれずゴールする
捲り 後方などから前を走る選手を追い越して1着になる
差し 前の選手を追走し、最後の直線などで抜いて1着になる

なお、2着の決まり手には「マーク」もあります。

そのため、1着と2着では決まり手の分類が完全に同じではありません。

競輪の脚質とは?逃げ・捲り・差し・追い込みの違いを解説 →

主要15競輪場を比較|逃げ・捲り・差しはどれが多い?

まずは、近年の公開データから主要15競輪場の1着決まり手を比較します。

競輪場によって集計期間は異なりますが、おおむね近年約5年間のレースを対象としたデータです。

競輪場 周長 逃げ 捲り 差し 最多
前橋 335m 32.8% 30.5% 36.3% 差し
松戸 333m 32.6% 32.6% 35.0% 差し
小田原 333m 25.3% 31.8% 42.8% 差し
別府 400m 25.6% 32.0% 41.9% 差し
小倉 400m 24.3% 31.9% 43.6% 差し
名古屋 400m 24.3% 30.9% 45.1% 差し
岸和田 400m 23.5% 31.3% 44.9% 差し
宇都宮 500m 23.1% 24.9% 51.4% 差し
高松 400m 22.8% 31.8% 45.2% 差し
川崎 400m 22.7% 29.9% 46.7% 差し
静岡 400m 22.7% 31.1% 46.0% 差し
松阪 400m 22.3% 28.3% 49.5% 差し
立川 400m 22.2% 26.8% 51.1% 差し
松山 400m 21.2% 32.0% 47.1% 差し
いわき平 400m 20.7% 27.1% 52.5% 差し

※各競輪場について公開されている近年約5年間の1着決まり手データをKEIRIN FACTが整理。集計期間は競輪場によって異なります。そのため15場の数値を単純平均して「全国平均」とする比較は行っていません。数値は過去の結果であり、将来のレース結果を示すものではありません。

15競輪場すべてで「差し」が最多

今回比較した15競輪場では、すべての競輪場で1着の決まり手として「差し」が最も高い割合となりました。

ただし、同じ「差しが最多」という結果でも割合にはかなり大きな違いがあります。

前橋では差し36.3%、松戸では35.0%となっており、逃げ・捲りとの差はそれほど大きくありません。

一方、宇都宮では差し51.4%、立川では51.1%、いわき平では52.5%となっています。

つまり、今回の調査では「差しが最も多い」という傾向は共通していても、どの程度差しが優勢なのかは競輪場によって大きく異なることが確認できました。

逃げが多いのは前橋・松戸

今回比較した15競輪場の中で、逃げによる1着の割合が特に高かったのが前橋と松戸です。

競輪場 周長 逃げ 捲り 差し
前橋 335m 32.8% 30.5% 36.3%
松戸 333m 32.6% 32.6% 35.0%
小田原 333m 25.3% 31.8% 42.8%

前橋は逃げ32.8%、松戸は32.6%で、どちらも3割を超えています。

特に松戸は、逃げ32.6%、捲り32.6%、差し35.0%となっており、3つの決まり手がほぼ均等です。

前橋も逃げ32.8%、捲り30.5%、差し36.3%で、大きな差はありません。

一方、同じ短走路に分類される小田原は、逃げ25.3%、差し42.8%となっています。

この結果からも、「333m前後の短いバンクなら必ず逃げが多くなる」と単純に判断することはできません。

捲りは逃げより多い競輪場が目立つ

次に「捲り」を見てみます。

今回比較した15競輪場では、前橋を除く多くの競輪場で、逃げと同等または逃げを上回る割合となっています。

例えば小田原では逃げ25.3%に対して捲り31.8%、岸和田では逃げ23.5%に対して捲り31.3%です。

松山では逃げ21.2%に対して捲り32.0%となり、10ポイント以上の差があります。

競輪場 逃げ 捲り 差
小田原 25.3% 31.8% +6.5pt
岸和田 23.5% 31.3% +7.8pt
静岡 22.7% 31.1% +8.4pt
松山 21.2% 32.0% +10.8pt

前に出てそのまま押し切る「逃げ」だけでなく、後方から前のラインを追い越す「捲り」が一定の割合で決まっていることが分かります。

差しが50%を超える競輪場もある

今回の比較で特に大きな特徴が出たのが、いわき平・宇都宮・立川です。

競輪場 周長 逃げ 捲り 差し
いわき平 400m 20.7% 27.1% 52.5%
宇都宮 500m 23.1% 24.9% 51.4%
立川 400m 22.2% 26.8% 51.1%

3場とも差しが1着の半数以上を占めています。

特にいわき平では、逃げ20.7%に対して差し52.5%となっており、その差は30ポイント以上あります。

競輪では、ラインの先頭を走る自力選手が風を受けながら主導権を取り、その後ろに番手選手が続く展開があります。

後ろの選手が最後まで脚を残すことができれば、ゴール前で前の選手を交わす「差し」が決まります。

ただし、この数字だけを見て「差しを得意とする選手を買えば当たりやすい」と判断することはできません。

決まり手はレースが終了した結果、どのような形で1着になったのかを分類したデータだからです。

「逃げが少ない=先行選手が弱い」ではない

決まり手のデータを見るうえで注意したいのが、「決まり手」と「脚質」の違いです。

例えば逃げによる1着が20%だったとしても、「逃げを得意としている選手の1着率が20%」という意味ではありません。

普段は先行を得意としている選手でも、そのレースでは後方から仕掛けて捲りで勝つことがあります。

反対に、捲りを得意としている選手が早めに先頭へ出て、そのまま逃げ切るレースもあります。

そのため、

「逃げの割合が低い=先行タイプの選手は勝ちにくい」

と判断することはできません。

選手の特徴を確認する場合は、過去の決まり手だけでなく、脚質、バック回数、競走得点、ライン構成なども合わせて見る必要があります。

同じ400mバンクでも決まり手は違う

競輪場ごとの違いを見るうえで注目したいのが、同じ周長でも決まり手の割合が同じではないことです。

例えば岸和田・名古屋・松山・立川・いわき平はいずれも400mバンクですが、数字には違いがあります。

競輪場 逃げ 捲り 差し
岸和田 23.5% 31.3% 44.9%
名古屋 24.3% 30.9% 45.1%
松山 21.2% 32.0% 47.1%
立川 22.2% 26.8% 51.1%
いわき平 20.7% 27.1% 52.5%

岸和田の差し44.9%に対して、いわき平では52.5%です。

同じ400mバンクでも7ポイント以上の差があります。

競輪場には周長だけでなく、見なし直線の長さ、カント、バンク形状、風などさまざまな違いがあります。

さらに開催されるレースのグレードや車立て、出走選手の構成も同じではありません。

そのため、バンク周長だけで決まり手を判断するのではなく、競輪場ごとの実際のデータを見る必要があります。

333m級と500mでも単純には比較できない

短いバンクでは逃げが残りやすく、長いバンクでは差しが決まりやすいというイメージを持つ人もいるかもしれません。

今回のデータでも、松戸333mでは逃げ32.6%、前橋335mでは32.8%と、逃げの割合が比較的高くなっています。

一方、500mの宇都宮では逃げ23.1%、差し51.4%です。

数字だけを見ると、「短いバンクでは逃げ」「長いバンクでは差し」という傾向があるようにも見えます。

しかし、333mの小田原では逃げ25.3%、差し42.8%となっています。

今回比較したデータだけから、「周長が短いから逃げが決まりやすい」「周長が長いから差しが決まりやすい」と因果関係まで断定することはできません。

周長は決まり手に関係する可能性がある要素の一つとして考え、競輪場ごとの実際の成績と合わせて見る必要があります。

S級9車では決まり手の割合がさらに変わる

決まり手は競輪場だけでなく、レース条件によっても変化します。

その違いが分かりやすいのが小田原です。

決まり手 全体 G3・S級9車
逃げ 25.3% 15.7%
捲り 31.8% 39.4%
差し 42.8% 44.5%

小田原全体では逃げ25.3%ですが、G3・S級9車では15.7%まで低下しています。

一方、捲りは31.8%から39.4%へ上昇しています。

宇都宮でも違いが確認できます。

決まり手 全体 S級9車
逃げ 23.1% 12.3%
捲り 24.9% 31.8%
差し 51.4% 55.9%

宇都宮では、全体の逃げ23.1%に対してS級9車では12.3%です。

反対に差しは51.4%から55.9%となっています。

つまり、同じ競輪場であっても車立てやグレードなどの条件によって決まり手の構成は変化することが分かります。

2着になると「マーク」が大きく増える

1着では逃げ・捲り・差しが中心ですが、2着になると「マーク」が加わります。

例えば小田原と岸和田では、2着の決まり手は次のようになっています。

競輪場 逃げ 捲り 差し マーク
小田原 22.6% 14.7% 20.9% 42.0%
岸和田 19.8% 16.2% 23.7% 40.0%

小田原では2着の42.0%、岸和田では40.0%がマークとなっています。

1着だけを見ると差しが目立ちますが、2着まで広げると違った特徴が見えてきます。

競輪は個人の着順を争う競技ですが、レース途中では複数の選手がラインを形成して走ります。

そのため、1着だけでなく2着の決まり手まで確認することで、「誰が勝つか」だけでなく「どのような形でラインの選手が残っているか」を見る材料になります。

競輪のラインとは?意味・見方・番手の役割を初心者向けに解説 →

決まり手だけでは分からないレース展開を確認する

今回のデータでは、差しによる1着が最も多い競輪場が目立ちました。

しかし、決まり手だけを見てレース結果を判断することはできません。

実際の競輪では、ライン人数、ライン内の位置、選手の競走得点、脚質、別線との力関係、バンクの特徴など、さまざまな要素によって展開が変化します。

例えば同じ「差し」が多い競輪場でも、強力な先行選手がいるレースと、捲りタイプが多いレースでは展開が同じとは限りません。

決まり手データは単独で見るのではなく、ライン・番手・人気・車番などのデータと組み合わせて確認することが重要です。

KEIRIN FACTの調査結果

今回、近年の主要15競輪場のデータを調査したところ、すべての競輪場で1着の決まり手として「差し」が最も高い割合となっていました。

ただし、その割合は松戸35.0%、前橋36.3%に対して、宇都宮51.4%、立川51.1%、いわき平52.5%と大きな違いがあります。

逃げについても、前橋32.8%、松戸32.6%に対して、いわき平では20.7%となっています。

さらに同じ400mバンクでも、岸和田の差し44.9%に対して、いわき平では52.5%となっており、周長だけでは説明できない違いも確認できました。

S級9車まで条件を絞ると、小田原では逃げ25.3%から15.7%、宇都宮では23.1%から12.3%へ低下するなど、レース条件による違いも見られます。

今回の調査から確認できるのは、逃げ・捲り・差しの割合には明確な違いがあり、さらにその割合は競輪場やレース条件によって変化するという点です。

競輪は「決まり手」だけでなく競輪場・レース条件まで見る

「逃げ・捲り・差しではどれが勝ちやすいのか」という疑問に対して、今回確認した主要15競輪場では「差し」による1着が最も多い結果となりました。

しかし、それだけで「差しの選手が最も勝ちやすい」と判断することはできません。

重要なのは、決まり手の数字が何を意味しているのかを理解することです。

どの競輪場なのか。バンクは何mなのか。何車立てなのか。どのグレードなのか。そして選手はどのラインのどの位置を走るのか。

同じ「逃げ・捲り・差し」のデータでも、条件を細かく分けることで見え方は変わります。

決まり手は競輪を分析するうえで参考になるデータの一つですが、それだけで結果が決まるものではありません。

KEIRIN FACTでは今後も、ライン・番手・人気・車番・決まり手・配当などの公開データを調査し、競輪でよく言われている傾向が実際の数字でも確認できるのかを検証していきます。

最終更新:2026年10月2日