競輪の出走表やオッズを見ていると、どうしても人気を集めている選手に目が向きます。
「人気になっている選手なら3着以内には入りやすいのでは?」と考える人もいるでしょう。
しかし競輪は、個人の力だけでなくラインや展開、番手との関係などによって着順が大きく変わる競技です。
では、実際のデータでは人気を集めた選手はどのくらい車券圏内に入っているのでしょうか。
今回は公開されている競輪データから、1番人気選手の勝率・2連対率・3連対率を調査しました。
58.5%
84.1%
ミッドナイト競輪のチャレンジ競走・7車立て11,751レースの集計では、1番人気選手の勝率58.5%、2連対率75.6%、3連対率84.1%でした。ただし、ここでいう「1番人気選手」は3連単1番人気の組み合わせで1着に支持された選手を指します。
競輪の「1番人気選手」とは?
最初に注意したいのが、競輪における「人気」の意味です。
競馬の単勝のように、すべての選手に公式の単勝人気順位が付いているわけではありません。
競輪では、2車単・2車複・3連単・3連複など、それぞれの車券の組み合わせにオッズと人気順位が付きます。
今回参考にしたデータでは、「3連単の1番人気の組み合わせで1着に支持されている選手」を1番人気選手として集計しています。
そのため、「1番人気選手」という言葉を単純な選手人気ランキングとして捉えないよう注意が必要です。
1番人気選手の勝率・2連対率・3連対率
2012年1月から2023年12月までのミッドナイト競輪・チャレンジ競走を対象とした集計では、7車立て11,751レースにおける1番人気選手の成績は次のようになっています。
| 成績 | 割合 |
|---|---|
| 1着率 | 58.5% |
| 2連対率 | 75.6% |
| 3連対率 | 84.1% |
| 着外率 | 15.9% |
最も注目したいのは3連対率です。
1番人気選手は84.1%が3着以内に入っています。
単純計算では、およそ6回に5回の割合で3着以内に入っていることになります。
一方で、1着率は58.5%です。
つまり人気を集めている選手でも、約4割は1着になっていません。
「勝つ」と「車券に絡む」では数字が大きく違う
今回のテーマで重要なのが、1着率と3連対率の違いです。
| 見る範囲 | 1番人気選手の割合 |
|---|---|
| 1着 | 58.5% |
| 2着以内 | 75.6% |
| 3着以内 | 84.1% |
「1番人気選手が勝つか」という見方では58.5%ですが、「3着以内に入るか」まで広げると84.1%まで上昇します。
人気選手を見る場合は、1着候補として見るのか、2着・3着まで含めて見るのかによってデータの意味が大きく変わります。
1番人気選手でも約16%は3着以内を外す
3連対率84.1%は高い数字ですが、逆から見ることも重要です。
着外率は15.9%あります。
つまり、1番人気選手であっても毎回3着以内に入るわけではありません。
競輪ではラインの主導権争い、位置取り、仕掛けるタイミングなどによって展開が変わります。
人気だけでなく、その選手がラインの先頭なのか番手なのか、どのようなメンバー構成なのかも確認する必要があります。
バンク周長によって1番人気選手の成績は変わる?
同じ集計をバンク周長別に見ると、1番人気選手の3連対率には大きな差がありませんでした。
| バンク | 勝率 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|
| 33バンク | 61.1% | 76.5% | 84.3% |
| 400バンク | 57.8% | 75.6% | 84.3% |
| 500バンク | 58.6% | 74.7% | 82.7% |
勝率では33バンクが61.1%と最も高くなっています。
一方、3連対率では33バンク84.3%、400バンク84.3%、500バンク82.7%となっており、大きく離れてはいません。
少なくともこの集計では、バンク周長が変わっても1番人気選手は8割以上が3着以内に入っています。
予選と決勝では1番人気選手の成績が違う
さらに興味深いのが、レースの種類による違いです。
| レース | 勝率 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|
| 予選 | 68.6% | 83.9% | 90.5% |
| 準決勝 | 66.2% | 82.6% | 89.1% |
| 決勝 | 53.2% | 72.2% | 82.3% |
| 一般 | 46.7% | 65.1% | 75.6% |
| 選抜 | 46.7% | 66.1% | 77.4% |
予選では1番人気選手の3連対率が90.5%あります。
一方、決勝では82.3%です。
さらに勝率を見ると、予選68.6%に対して決勝53.2%となっています。
同じ「1番人気選手」でも、レースの段階によって成績に差があることが分かります。
A級1・2班でも1番人気選手は3着以内に入りやすい
チャレンジ競走だけの特殊な結果なのかを見るため、別の集計も確認しました。
ミッドナイト競輪のA級1・2班競走・7車立て20,646レースでは、1番人気選手の成績は次のようになっています。
| 成績 | 割合 |
|---|---|
| 勝率 | 47.4% |
| 2連対率 | 67.8% |
| 3連対率 | 77.9% |
| 着外率 | 22.1% |
チャレンジ競走の84.1%より低いものの、A級1・2班でも1番人気選手の3連対率は77.9%でした。
ここからも、競走条件によって数値が変化することが分かります。
GIでは1番人気でも結果は変わる
さらにグレードレースではどうでしょうか。
共同通信社杯競輪の過去データでは、1番人気選手の全体成績は勝率35.6%、2連対率55.9%、3連対率64.9%でした。
| 成績 | 共同通信社杯 |
|---|---|
| 勝率 | 35.6% |
| 2連対率 | 55.9% |
| 3連対率 | 64.9% |
| 着外率 | 35.1% |
ミッドナイト競輪のチャレンジ競走と比べると、1番人気選手の3連対率はかなり低くなっています。
出場選手の実力差が小さいグレードレースでは、人気を集めた選手でも必ず上位に入るとは限らないことが数字にも表れています。
1番人気の「選手」と「3連単1番人気」は別物
ここは特に混同しやすいポイントです。
1番人気選手の3連対率が84.1%だからといって、3連単1番人気の的中率が84.1%という意味ではありません。
3連単は1着・2着・3着を順番どおりに当てる必要があります。
2021年以降の男子7車立て105,810レースを対象とした別の大規模集計では、3連単1番人気で決着した割合は13.61%でした。
一方、3連複1番人気は26.79%、2車単1番人気は26.82%、2車複1番人気は38.63%となっています。
人気選手が3着以内に残っても、2着・3着の組み合わせや順番が変われば3連単は外れます。
「人気選手が車券圏内に入る確率」と「人気の買い目が的中する確率」は分けて考える必要があります。
既存の「何番人気が勝ちやすい?」とは何が違う?
KEIRIN FACTでは「競輪は何番人気が勝ちやすい?1番人気〜人気薄の結果を調査」でも人気とレース結果の関係を調査しています。
そちらは人気別の1着結果を見る記事ですが、今回は人気を集めた選手が2着・3着まで含めてどの程度車券圏内に残るのかに焦点を当てています。
1着だけを見る場合と3着以内まで見る場合では数字が大きく変わるため、両方を確認すると「人気」の意味をより理解しやすくなります。
人気だけでなく競走得点・ライン・位置も確認したい
今回のデータでは、1番人気選手が3着以内に入る割合は比較的高い結果となりました。
ただし、人気そのものが選手を強くするわけではありません。
オッズは、多くの購入者が選手の競走得点、直近成績、ライン構成、脚質などを見て購入した結果として形成されます。
実際に出走表を見る場合は、人気順位だけで判断するのではなく、競走得点・ライン・番手か先頭か・直近成績なども合わせて確認することが重要です。
まとめ|1番人気選手は3着以内に入りやすいが条件によって差がある
今回確認したミッドナイト競輪・チャレンジ競走11,751レースでは、1番人気選手の勝率は58.5%、2連対率75.6%、3連対率84.1%でした。
1着だけでなく3着以内まで広げると、人気選手が車券圏内に残る割合は高くなっています。
一方、A級1・2班では3連対率77.9%、共同通信社杯では64.9%となっており、競走条件によって結果は変わります。
また、人気選手が3着以内に入ることと、人気順の車券がそのまま的中することは別です。
人気は有力な情報の一つですが、それだけで判断せず、競走得点やライン構成、ライン内の位置などと合わせて見ることが大切です。
最終更新:2026年10月2日